会計で会社を強くする!

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坂本孝司先生の講演を聴きにTKC東京中央会の賀詞交換会に参加してきました。

坂本先生の講演は何度か聞いたことがありますし、著書である「会計で会社を強くする」も読みましたが、坂本先生の主張は一貫して、会計を通して中小企業を強くするということです。

 

会社や個人事業主は必ず帳簿をつけています。これは事業をやられている方の共通のインフラと言えるかもしれません。では、なんのために帳簿をつけているのでしょうか?

確定申告のためでしょうか?税務署が怖いからでしょうか?

 

商法の第19条に商業帳簿の規定がありますが、こう書かれています。

1、商人の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。

2、商人は、その営業のために使用する財産について、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な商業帳簿(会計帳簿及び貸借対照表をいう。以下この条において同じ。)を作成しなければならない。

3、商人は、帳簿閉鎖の時から十年間、その商業帳簿及びその営業に関する重要な資料を保存しなければならない。

4、裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、商業帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。

 

商法とは、これを破ればアンタ捕まるよといったようなものでなく、この通りにやればアンタの商いうまくいきまっせと法律で保証してくれているようなものです。つまり、帳簿をつけることは商いがうまくいって倒産しにくくなりまっせという倒産防止法のようなものなのです。(フランスでは、倒産した会社が帳簿をちゃんとつけていなかった場合、経営者を処刑していた時代もあるほどです。)

 

帳簿をつけることは倒産を防ぐためです。倒産を防ぐために適時に正確な帳簿を作成し、現状を把握し、問題があれば素早く対処する。

確定申告のためでもなく税務署のためでもなく、自分のために帳簿をつけるのです。

 

福沢諭吉は日本で最初に出版された複式簿記解説書の著者ですが、著書の中でこんなことを言っています。

 

「商売に一大緊要なるは、平日の帳合を精密にして、棚卸の期を誤らざるの一事なり。」